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「売っても住み続けられる」はずが、6年後に家賃7万円→約10万円——自宅リースバックの事例

生活費に困った70歳代女性が、自宅マンションを約1000万円で売却し家賃7万円で住み続けるリースバック契約を結びました。6年後、家賃を約10万円に値上げすると告げられ、応じなければ退去するよう求められています。「住み続けられる」という説明の中に何が含まれていなかったのでしょうか。

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何が起きたか

生活費に困っていた70歳代の女性が、築40年の分譲マンションを約1000万円で売却し、家賃7万円で住み続ける「リースバック」契約を結びました。自宅を業者に売り、その業者から家を借りて住み続けるという仕組みです。

それから6年後、貸主から家賃を約10万円に値上げすると告げられました。応じなければ退去するよう求められ、値上げに応じられないと伝えると多少の減額案は出されたものの、現行の家賃より高い水準でした。値上げに応じるか退去するか、貸主から繰り返し求められています。

国民生活センターには、同種の契約をめぐる別の相談も寄せられています。ある70歳代男性は自宅を200万円で売却し、契約終了後の退去を懸念して買い戻しを申し出たところ、売却額の5倍にあたる1000万円を提示されました。

判断の分かれ目

「売却後も住み続けられる」という説明を、家賃の将来的な変動可能性・住み続けられる期間・買い戻し条件まで分解して確認していたか。

「住み続けられる」という説明は、契約が続く限り家賃を払い続けられれば、という条件つきの話です。国民生活センターも、住む期間が長くなるほど家賃の支払い総額が売却金額を上回る場合があること、契約の更新が拒絶される場合や家賃が相場より高く設定される場合があることを注意点として挙げています。

なぜ、ここが判断の分かれ目だったのか

この事例を、

「契約書をちゃんと読めばよかったのに」

だけで終わらせると、次の判断には活かしにくくなります。契約時にどのような説明を受けていたかは、公表されている情報だけでは分かりません。

「住み続けられるかどうか」という一つの問いの中には、家賃は将来も変わらないか、契約はいつまで更新されるか、更新を断られることはあるか、買い戻すとしたらいくらになるか、という複数の条件が含まれています。「住み続けられる」という説明だけでは、このうちのどれか一つにしか答えていないことがあります。

資金繰りに困っている状況では、まとまった資金が手に入ることへの意識が強くなりやすいものです。これは特別なことではなく、誰にでも起こりうる傾向です。だからこそ、契約前にこれらの条件を個別に確認できたかどうかが、その後の状況を左右する可能性があります。

今後に活かすチェックポイント

  1. 「住み続けられる」を、期間・条件つきの話として聞けているか
    「ずっと」ではなく「どのような条件のもとでなら」なのかを確認する。
  2. 家賃の見直しの可能性を、契約前に確認しているか
    見直される場合の基準や頻度を、口頭ではなく書面で確認する。
  3. 契約更新の仕組みを理解しているか
    自動更新なのか、貸主の判断で更新を断れる契約なのかを確認する。
  4. 買い戻しを考える場合の条件を、契約前に確認しているか
    将来買い戻す可能性があるなら、その価格がどう決まるのかをあらかじめ確認する。
  5. 急いで資金が必要なときほど、契約条件の確認を後回しにしていないか
    資金が必要な状況そのものが、確認を省きやすくする要因になりうることを意識する。

出典・本事例について

本事例は、国民生活センターが2026年8月4日に公表した「自宅の『リースバック』トラブルにご注意!」の内容にもとづき、失敗にまなぶ.com編集部が再構成しました。

参考資料:

  • 国民生活センター「自宅の『リースバック』トラブルにご注意!」(2026年8月4日)

家賃の値上げが契約上有効かどうか、退去要求に応じる義務があるかどうかについては、本事例では判断していません。

新しい失敗事例や、判断の分かれ目をXでも紹介しています。@shippaimanabu